時系列順まとめ5:2008年12月(AEA面接準備)
この頃、出願作業が一段落し、AEA面接の連絡をひたすら待っていました。
12月1日:どこからも連絡がないんじゃないかと不安になる。
12月2日:最初の大学から面接の連絡。
12月3日:こことしか面接がないんじゃないかと不安になる。
12月5日:2つ目の大学から面接の連絡。
12月6日:面接が2つしかないんじゃないかと不安になる。
(中略)
12月14日:面接が9つしかないんじゃないかと不安になる。
12月15日:10個目の大学から面接の連絡が来てひとまず、数についての心配を止める。
以下12月23日まで断続的に計17個の面接と1個のミーティング(募集のカテゴリーに入らないから採用はできないけど今後のために研究の話は聞きたいと
いう依頼)が入りました。
コロンビア大学のほかの人たちはだいたい12-25個くらいの面接数があったようです。
私の周辺でよく言われていたのは、経験的にAEA面接からフライアウトにいたるのが3つに1つ、フライアウトからオファーにいたるのが同じく3つに1つ、ということでした。というわけで10個以上になって頃から先生たちも安心してきたように見えました。
実際にはこれからが大変なのですが。
AEA Meetingは3日間あって、その前日を含めた4日間に面接を入れます。
面接のスケジューリングに関してよく言われる助言としては
・同じホテル内なら15分、違うホテルなら30分は面接と面接の間に時間をおくべき。
・最初の数面接は自分にとって重要な大学でない大学にする。(練習用)
・重要な面接を夕方の方にいれない。(自分も向こうも疲れています。)
・最重要な面接(dream interview)は2日目の朝がいい。(練習も積んでいて、疲れもない)
ということがあります。
結果的には最初の助言以外はあまり守れませんでしたが。2日目の朝をdream interviewのために空けておいたら、そんなものは来ずに2日目の朝がいちばんすかすかしてましたが。夢高すぎ。
(2番目のインタビューオファーがけっこういい大学からだったので、それ以上の大学から来るかもと淡いいい希望を抱いていたのでした。)
上の助言どおりにスケジュールを組むためには、スケジューリングの際に相手の提示してきた日程をそのまま受諾せずに相当アグレッシブに交渉する必要があるのではないかと思います。あと、面接のスケジューリング自体は事務の人が
やっている場合があって、学部側の選好と関係なく、早く返事した候補者順にスケジュールを埋めていくことがあります。でき
るだけ早くレスしたほうがいいかもしれません。
12月は、メールを毎分チェックするのと並行してAEAでの面接の準備をしました。
面接準備について
AEAでの面接は主に30-40分で、内容は主に以下の通りです。
(1)ジョブマーケットペーパーの説明と質疑応答
(2)その他に自分が書いた論文(もしあれば)の説明
(3)将来の研究計画の説明
(4)(場合によって)どの科目を教えられるか、教えたいかについての説明
(5)(場合によって)向こうの大学側のアピールトーク
(6)その他の諸々な質問(地理的な選好はあるか、なぜ応募したか、など)
(7)こちらからの質問
最重要なのは(1)です。従って準備も当初は多くの時間を(1)の準備にあてます。でも、(3)も重要です。
ジョブマーケットペーパーの説明と質疑応答に関しては、重要なことは、相手に絶対わかって欲しい重要なポイントを
強調して繰り返して繰り返して言うことだと思います。
とりあえず、準備を時系列で見ていきましょう。
先生たちとの模擬面接につ
いて
12月初旬に経済学部が練習用に模擬面接を用意してくれました。私の場合は、自分の専門外の先生2人が面接してくれました。
その経済学部公式の模擬面接では、
「私たちが意図的に話題をそらそう
としたのに対して簡単に話題をそらされていつのまにかジョブマーケット
ペーパーの説明が終わってしまっていた。もともと言いたかったことを言えなかった印象を受けた。まだまだ修行が足りない。」
という趣旨のことを言われました。
言いたいことを絶対言う必要があるんだなと思いました。
その次に指導教官の1人に面接の練習をさせてもらいました。そこでは、
「俺が意図的に話題をそらそうとし
たのに対して、話題をそらされまいとするのが露骨だった。もともと言い
たかったことは相手を無視してでも言うぞという印象を受けた。面接ではどれだけ即興で考えられるか(think on your
feet)を見たいので、こいつは自分の台本どおりしかできないのかと思われるのはまずい。まだまだ修行が足りない。」
という趣旨のことを言われました。
みなさん実に教育的なことで。
(本当に感謝してます。マジで。)
言いたいことを
自然な流れで絶対言う必要があるんだなと思いました。
「じゃあ、ある話題についての話が終わってないのに他の話題に移られようとしたらどうしたらいいのか?」と聞いたところ、「「この話題でまだ言いたいこと
は残っていますが、そちらの話題に移りますか?ジョブマーケットペーパーの残りの話は後で戻ってきてもいいですよ。」と言って相手に決めさせろ。説明を続
けさせてくれるか、他の話題になっても戻ってきやすくなるから。」と言われました。
まあ、自分の論文で一番重要なメッセージは先手必勝で質問が来る前(だいたい開始後1分前)に言ってしまうのがいいと思いますが。(ただし、これは研究のモチベーションがどれほど他分野の人に伝わりやすいかによるかも知れません。)
他の先生たちと練習をさせてもらったときは、
「自分の本当に重要な結果を話している時間が物理的に短すぎる。」
「自分にとって重要なことはゆっくりと大声で話すべき。」
「Transition(話題間の移行)を強調して、相手に今自分が何を話しているのかをわかるようにす
るべき。」
「言う必要があることをいくつかのブロックにわけておいて、いろいろな順序で全部言えるようにしておくべき」
と言った助言を受けました。
友人たちとの練習について
並行して友人たちともできる限りたくさん練習しました。
よかったのは、
(a)よく質問されること(FAQ)がわかったこと。
(b)強くサポートできない点で議論を泥沼化させずにとっとと議論を切り上げることを学んだこと。
(c)ある友人がレコーダーを持ってきてくれて練習を録音してくれたのを聞いて、すごく危機感をもったこと。特に自分の英語のぼそぼそ具合に。その後、自分でも録音、録画してくせを自分で直すようにしました。あまり直らならかったと思いますが。
(d)練習相手に自分のスピーチを要約してもらう、ということをやったところ最初、びっ
くりするほど自分の話が伝わっていないことに危機感を持ったこと。
それが起きる一番の理由は大事なことを一度しか言っていなくて、その瞬間を相手が聞き逃すということが起きるから。あと、一番大事なことが単純なことで、
それ以外のことが複雑なことだと、物理的に一番大事なことを話している時間が短くなってやはり聞き逃されてしまうことが起きるから。だから大事なことは何度でも言いましょう。大事なことは強調しましょう。大事なことは何度でも言いましょう。大事なことな
ので(略))あと、前述のように、一番重要なことはできるだけ早め、最初の1分で言ってしまいましょう(ただし、これについては異論あり)。
これらの練習で絶対に言及すべき点は、順番は質問の流れに応じて臨機応変に変えながら、特に重要なことには数回さりげなく触れつつ、確実に言えるように
なって
きました。
まとめ
大事なことは強調しながら、自然な流れで、しかし断固として言う。
特に大事なことは聞かれてないリスクを減らすべく強調しつつ数回言っておく。
練習は大事。
録音・録画は大事。
人からの率直なフィードバックは大事。
これだけ言うとたくさん準備したかに見えますが本腰を入れ始めたのは面接予約が10個を越えた12月中旬以降です。それまではずっと「面接n個しかなかったらどうしよう」とくよくよしてました。面接数は本当に精神衛生と練習意欲に影響します。
(3)の長期計画については、自分のジョブマーケットペーパー、その他の論文(書いたもの、書こうとしているもの)に共通する強みは何かを考えて、それを
売り出すのが1つの方法かと。この点はマーケティングの本やブランディングの本を参考に考えました。あと、就職後数年たった先生が時々Research StatementをHPに載せていることがあるので、それらをみて、彼らが自分の研究をどのように売り出そうとしているのかを学ぶのもいいかもしれません。
(6)のその他の質問のうち、「なぜうちの大学に来たいの?」という質問にうまく答えられるかはけっこう重要だと個人的に思います。これは、他大学の先生と話した時に「面接に呼ぶからには、もうかなりの程度の質は備えているものだと大学側にも思われているし、論文のアピールで失敗することはあまり多くない。むしろ大学が気にするのは自分の大学との相性のよさだ。」と言われたからなのですが。そこで、各大学ごとに、自分がどうすれば、その大学との相性がいいのかをアピールできるか考えました。
この作業のおかげで、自分の選好もよりよく理解できるようになりました。相性がいいと思う理由がたくさん見つかる大学ほど自分にとってもいいわけですか
ら。
(7)のこちらからする質問については、先生間でも質問するべきじゃないよ派と質問するべきだよ派の対立があることを記しておきます。質問するべきじゃな
いよ派の意見としては、(a)Webページを
みればすぐわかるような単純な質問だと、準備(意欲)不足を露呈することになる、(b)答えが自明でない質問はネガティブな答えが返ってきて面接
を気まずい雰囲気で終わる危険性がある、というものでした。それに対し、質問するべきだよ派は、質問しないと準備(意欲)不足だと思われると言っていました。私がどうしたかは覚えてません。それまでにアピールしてなかったことがあったらそれを引き出せるような質問をしようとしたような気がします。
おまけ
私は人(特に非日本人)の顔を覚えるのが超苦手なので、面接をしてくる先生たちの顔写真をプリントアウトし
て各人ごとに顔と名前と分野
と代表論文(特に自分との関連分野だった場合)の内容を一枚にまとめて、覚えられるように見返していました。周りからは「やりすぎだ」と笑われましたが、
そして、周りはそんなことやらずに普通に成功していましたが、自分的にはこれはやってよかったと思います。フライアウトの際にも役に立ちました。まあ、面接相手に面接前日に通りすがった際に挨拶してしまって怪訝な顔をされたわけですが
orz あと、ここまでしても帰りの空港で面接された覚えのある人にばったり会った時に名前が出てきませんでしたがorz